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役員紹介

OFFICER

御挨拶 理事長 中村 秀一 

この度、本井啓治氏の後任として理事長に就任いたしました中村秀一です。前理事長同様、会員の皆様のご支援・ご協力を切にお願い申し上げます。私は、長らく旧厚生省、厚生労働省、内閣官房等において、社会保障政策の企画・立案に従事してまいりました。現在は、国際医療福祉大学大学院等いくつかの大学で社会保障政策に関する講義をいたしております。また、2012年から一般社団法人 医療介護福祉政策研究フォーラムを立ち上げ、活動いたしております。
いうまでもなく、総合福祉研究会は社会福祉法人を顧客とする税理士・会計士・弁護士の専門家集団であります。非専門家である私が、当会の理事長をお引き受けすることが適切かどうか、私自身躊躇したというのが正直のところです。しかしながら、理事の皆様からの強いご要請もあり、また、私自身、当会との関係も長いこともあり、理事長をお引き受けすることにいたしました。
振り返ってみますと、1990年代、当会が法人化する前の「勉強会」の時代に、そのメンバーの一人であった清水康之顧問(厚生省の先輩に当たります)からのご要請を受けて、現役時代に勉強会の講師を何回か務めたのが、当会と私とのご縁の始まりです。最近では、林光行元理事長のご要請により、当会の会長を務めさせていただいてきましたので、最近の当会の活動状況については、理事会や全国大会を通じて、承知いたしております。
このように職業会計人ではありませんが、顧客である社会福祉法人に関しましては、厚生省での最初の配属課が社会局老人福祉課(1973年)であり、その後、老人福祉課長(1990年)、老健局長(2002年)、社会・援護局長(2005年)を経験いたしておりますので、老人福祉、介護保険、障害者福祉などについては一応手掛けてまいりましたので、「土地勘」だけはあると思います。
そのような立場から、当会と行政(厚生労働省)の橋渡し、当会と福祉関係者との橋渡しについて、いささかなりとも貢献できればと願っております。どうか、会員の皆様のご理解を賜りたいと存じます。

1990年代初頭にバブルがはじけて、日本は経済の長期的低迷に苦しんできました。2022年のロシアのウクライナ侵攻などから国際的に物価上昇が始まり、2024年以降は春闘で大幅賃上げが続くなど、経済基調が大きく変化しつつあります。
また、2008年を総人口のピークとして、以来、日本は人口減少社会に突入いたしております。そして、人口減少幅は、毎年拡大の一途を辿っております。このため、あらゆる分野で人手不足が深刻化しておりますが、労働集約産業である医療・介護・福祉の担い手の確保は、まさに喫緊の課題となっております。
一般産業であれば、物価高、労働コストの上昇に対しては、消費者への価格転嫁(値上げ)で対応することになりますが、医療・介護・福祉は公定価格(診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス費)や補助金(保育など)であり、自由な値上げはできず、諸コストの上昇に追いつかない状況に陥っています。累次の「処遇改善措置」で全産業との賃金格差を是正するよう努めてきた介護職などの賃金は、再び格差拡大が避けられない状況にあります。
また、人口減少や高齢化については、地域差が大きく、コミュニティ自体の存続が危ぶまれる中山間地、へき地、離島等とさほど人口は減らず・高齢者人口はまだまだ増加する大都市部との二極化がみられます。地域ごとの医療・介護・福祉の提供体制の構築が今まで以上に重要になります。
さらに、食料品の消費税減税にみられるように、負担増を忌避する傾向が、国民と政治に強くなっております。社会保険料の引下げを求める声も強く、これらは医療・介護・福祉の財源確保において強い逆風であると言わざるを得ません。

このような中で、地域住民の福祉ニーズも多様化・複雑化しています。8050、不登校、引きこもり、孤独死、ヤングケアラー、様々な虐待、高齢者等をターゲットとした悪徳商法などなど、問題が山積しています。
社会福祉法人は、よくも悪くも公的規制の下で運営されており、良く機能すれば地域住民のための「公器」となりえる存在です。
社会のあらゆる分野で「市場」「利益」が優先される中で、非営利組織としての社会福祉法人の存在意義を模索していく必要があると思います。社会福祉法人の「株主」は地域であり、地域の医療・介護・福祉にどのように貢献していくのかが、問われています。

当会は、歴代役員のご尽力の結果、従来実施してまいりました「社会福祉法人簿記検定試験」を「社会福祉法人経営実務検定試験」に再編整備し、厚生労働省の後援を得て、実施いたしております。今年度よりは一部の試験ではオンライン試験を導入いたしております。
また、この検定試験で会計1級、財務管理、ガバナンスの試験に合格された方を顕彰する「社会福祉法人経営実務マイスター」制度を発足させ、これまで145名のマイスターが誕生いたしております。
さらに財務分析プロジェクトチームでは、全国2万を超える社会福祉法人の財務分析データを統計処理いたしており、その知見を会員の皆様に提供いたすべく、努力を重ねております。
もとより、当会の最重要の使命は、会員の皆様へのサポート業務であります。ご承知のとおり、各種委員会において、研修会、交流会、情報提供、質問回答等を行っております。より、会員の皆様の実務に役立つようにしていかなければなりません。ここにおいても、会員の皆様のご支援・ご協力をお願いいたします。さらに、特別会員制度を設け、社会福祉法人の方々にも参加いただけるよう、途を開いておりますことを強調させていただきます。

あらためて、当会は、会員の、会員による、会員のための組織であります。当会が所期の機能を果たせるか、否かは、会員の皆様の積極的な参画にかかっております。どうか、意のあるところをお汲み取りいただき、ともに進んで行きましょう。

会長 本井 啓治

このたび、役員定年規程に基づき、理事長(理事)を辞任し、新たに会長を拝命いたしました本井啓治でございます。在任中は、会員の皆様ならびに関係各位より温かいご支援を賜りましたことを、心より御礼申し上げます。会長職は理事の任に就くものではございませんが、これまでに培った経験を活かし、今後は相談業務や後方支援を通じて、当会を陰ながら支えてまいる所存です。
いま、社会福祉法人を取り巻く環境は、物価や人件費の上昇による経営の圧迫、深刻な人材不足、そして経営の透明性に対する社会的な要請の高まりなど、かつてなく厳しさを増しています。
社会福祉法第二十四条第一項では、社会福祉法人に対して「自主的に経営基盤の強化を図る」とともに「事業経営の透明性の確保」を求めており、まさにこの一条にこそ、これからの法人経営が向き合うべき原点があると考えます。
私ども総合福祉研究会は、税理士・公認会計士・弁護士などの専門家が結集し、社会福祉法人経営の確かな支え手であり続けてまいりました。厚生労働省後援の社会福祉法人経営実務検定試験の実施をはじめ、研修や相談活動を通じて、今後も法人経営の適正化と財務規律の向上に寄与していく――その歩みを、私も後方からしっかりと支えてまいります。
会員の皆様には、日頃のご尽力に深く敬意を表します。専門家一人ひとりの知見が集うことこそ、当会の最大の財産です。新しい体制のもと、引き続きのお力添えを賜りますよう、お願い申し上げます。
私の変わらぬ願いは、会員の輪が広がって当会の存在意義が社会に一層周知されていくこと、そして検定試験の普及を通じて社会福祉法人の財務規律が確かなものとなっていくことにあります。これらは地域の福祉を支える基盤づくりそのものであると信じております。その歩みを、これからは会長職(相談役)として見守り、支えてまいります。
今後とも当会に変わらぬご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
一般財団法人 総合福祉研究会
会長 本井 啓治